沈没船でパーティーしよう

ひとりで生きて死にたい

急な休み/嘘広告のはびこる世界で/見捨てられるまでの延命治療

ストレスで小学生以来の夜尿症が再発して夜中に目が覚めた。だけど休日出勤、してやんよ……!!と意気込んで支度していたら、朝になって職員の一人が発熱したと連絡が入り、小さな弊社はみんな濃厚接触者疑いで強制自宅待機になった。その人の検査結果が出るまで何も出来ない。もし私も濃厚接触者だったら病院もしばらく行けないから、月曜の通院で当面をしのげる量の薬をもらっておいて本当に良かった。職場の冷蔵庫に置いてきたクリームたい焼きは、冷凍庫に入れて保存してもらうように現場にいる人に頼んだ。

 

私が美容系コンプレックス商法が大嫌いなのは、悪徳である上にあからさまな嘘だからだ。毛穴の黒ずみがこんなにきれいに!とのビフォーアフター画像を広告でお出しされても、Photoshopで下手くそなレタッチをしてるのがバレバレで「嘘じゃん」としらけてしまう。仮に私が美容にまつわるコンプレックスを抱えていたとしても、こんな雑な嘘の商品・商材に金を払おうとは思わない。広告で金を稼ぐことが完全な悪とは言えない空気の時代になってしまっている。私も職業柄、全否定は出来ない。だけど、だったらせめてもうちょっと誠意を持った広告を出して欲しい。何でこんなことになってるのかって、きっとこんなバレバレの嘘広告しかクリックされないんだろうな。常に情報が飽和していて、過度にセンセーショナルな刺激にしか反応出来なくなるように人間が社会から調教されている。情報の質よりもクリック率が優先される空虚さ。悲しくなってくる。上司に指示されて、Photoshopを使って下手くそなレタッチをしてきれいな肌を偽造しなければ生きていくお給料が貰えない人の悲しみを想う。生活に困窮して仕事を選べないクリエイターの中で、一度もコンプレックス商法という悪魔の手先になったことのない人がどれだけいるというのか。私だって仕事では色々あったし今も色々あるよ。コンプレックス商法は嫌いだけど、悪魔の手先にならなければ生きていけない状況の人を責める気にはなれない。だって罪は根元から断ち切らなければどうしようもないんだから。

 

昼ご飯は消費期限が本日中なので安くなったおにぎりを三つ買って食べた。クリームたい焼きを買い直して食べた。明日のためにプリンも買った。友人からLINEが返ってこなくて勝手に不安になる。私はどんなに親しい間柄の人間にも見捨てられ不安を抱きがちで、どんなに親しくしていても相手が明日急に私のことを嫌いになる可能性に怯えている。いつか見捨てられるのは確定事項で、その終着点をなるべく遅らせるための延命治療を必死にする感覚で対人関係をやっている。多分、誰のことも信じていないんだと思う。連絡不精の人なんかよりも私の方がよっぽど冷たい人間だ。